
本記事はコラム①の続きになります。
グローブボックスと粉砕機の選定基準、対応粉砕機の強みについて記載しています。
グローブボックスで利用される粉砕機の種類と選定基準
グローブボックス内で高活性粉体を粉砕する場合、粉砕機の種類は、求められる粒度、生産量、そして封じ込めへの適性によって選択されます。
粉砕技術の例(ピン型ミル、ジェット型ミル、ハンマー型ミル)
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粉砕技術 |
特徴とメリット |
グローブボックス内での適性 |
|---|---|---|
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ピン型ミル |
高速回転するローター/ピンの衝撃力及びせん断力を利用。 |
適応可:密閉性を高めるための特殊な軸封構造と、粉部の簡易分解機能が必須。 |
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ハンマー型ミル |
衝撃力と摩擦力を利用。 |
適応可:密閉性を高めるための特殊な軸封構造と、粉部の簡易分解機能が必須。 |
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ジェット型ミル |
高圧ガス(エアー・窒素など)の圧力を利用。発熱が少なく微細粒子の製造に適する。 |
適応可:粉砕に使用する高圧ガスがグローブボックス内の陰圧制御に影響しない構造設計を要す。 |
OEB(Occupational Exposure Band)レベルに応じた粉砕機の選定フロー
グローブボックス内の粉砕機を選定する際は、封じ込めレベル(OEB/OEL)を基軸に考えます。
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OEBレベル |
μg/m3 |
求められる封じ込め技術 |
適切な粉砕機システム |
|---|---|---|---|
|
OEB 1~2 |
>100 |
一般的な集塵・換気(ヒュームフードなど) |
粉砕機全体をウォークインドラフト等に設置し、オペレーターはエアラインスーツ着用で操作。 |
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OEB 3 |
1~100 |
局所排気と簡易アイソレーター |
密閉型粉砕機を簡易グローブボックス内に設置し、オペレーターはグローブ越しに操作。 |
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OEB 4~5 |
<1 |
高精度アイソレーター(グローブボックス) |
特殊設計の粉砕機を完全密閉型グローブボックスに設置し、オペレーターはグローブ越しに操作。 |
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OEB 6 |
0.1 |
高精度アイソレーター(グローブボックス) |
特殊設計の粉砕機を完全密閉型グローブボックスに設置し、オペレーターはグローブ越しに操作及びグローブボックスから外部への排出/廃棄の封じ込めを強化。 |
特にOEB 4以上の高レベルな封じ込めが必要な場合、粉砕機自体がグローブボックス内に完全に組み込まれ、インテグレーション(統合)された専用設計が必須となります。
【奈良機械製作所のソリューション】グローブボックス対応粉砕機の強み
当社、株式会社奈良機械製作所は、長年にわたる粉体技術の専門メーカーとして、医薬品業界特有の「高活性物質の安全な取り扱い」と「高効率な生産」という相反する要求に応える粉砕機を提供しています。
狭い空間での設置とメンテナンスを可能にする「特殊設計」
当社のグローブボックス対応粉砕機は、アイソレーター内の厳しい制約をクリアするために徹底したコンパクト設計を追求しています。
- 垂直・水平方向の省スペース化: 駆動部やユーティリティ接続部を最適化し、グローブボックスの限られた開口部から搬入・設置が可能なモジュール構造を採用しています。
- 工具レス分解・組立構造: 独自のクイックリリース機構を採用し、粉砕機の接粉部パーツをグローブポートから工具を使わずに迅速かつ安全に分解・組み立てることが可能です。これにより、洗浄や点検にかかる作業者の曝露時間を最小限に抑えます。
WIP/CIPに完全対応する高い清浄性とバリデーション支援
医薬品製造において、残留物を品質許容値内までに抑えることは必須要件です。当社の粉砕機は、この清浄性を追求しています。
- 洗浄への耐性: 機器本体はすべて医薬品グレードのステンレス(SUS316Lなど)を使用し、シール材やパッキンもFDA準拠品を採用。CIP(定置洗浄)やWIP(ウェットダウン)に完全対応しています。
- 残留リスクの徹底排除: 粉砕室内部は、デッドスペースやボルト・ネジ部を極力廃したサニタリー設計となっており、洗浄液や粉体の残留を可能な限り、軽減します。
- バリデーションサポート: IQ/OQ(据付時適格性確認/運転時適格性確認)などのバリデーション文書の作成を支援し、お客様の品質管理体制の構築をサポートします。
安全な粉砕プロセスを実現する実績とカスタマイズ力
当社は、医薬品原薬(API)製造における高活性物質の粉砕実績を豊富に有しており、お客様のOEBレベルに応じた最適なシステム統合を提案します。
- 防爆仕様の標準対応: 粉塵爆発リスクを考慮し、防爆仕様(ATEX/IECEx準拠)の設計・製造に対応。窒素パージシステムとの連携も容易です。
- トータルシステムインテグレーション: 粉砕機単体だけでなく、グローブボックス、フィーダー(供給機)、排出装置、集塵機といった周辺装置を含めたトータルな封じ込めシステムとして設計・提供が可能です。
まとめ
最後に、重要なポイントを3つにまとめます。
1. 封じ込めレベル(OEB)に合わせた最適な機種選定
グローブボックス内での粉砕は、求められる粒度だけでなく、OEB 4〜6レベルの高精度な封じ込めに対応できる設計かどうかが極めて重要です。
ピン型、ハンマー型、ジェット型など、粉体の特性と清掃性のバランスを考慮して選定する必要があります。
2. 狭小空間と操作性を両立する「特殊設計」
限られたアイソレーター空間で安全に作業を行うためには、搬入しやすいコンパクトなモジュール構造や、
グローブ越しでもスムーズに作業できる工具レスの分解・組立機構が欠かせません。
3. 高い清浄性とバリデーションへの対応
残留物によるクロスコンタミネーションを防ぐため、WIP/CIPへの完全対応やデッドスペースを排除したサニタリー設計が必須です。
また、医薬品製造において重要となるIQ/OQなどのバリデーション支援の有無も、スムーズな設備導入の鍵となります。
本記事はコラム③に続きます。
封じ込め技術(コンテインメント)コラム③
~粉砕機の導入注意~
関連コンテンツ
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前回のコラムはこちらから
【コンテインメント】グローブボックス
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