最近納入しました、気流乾燥装置の発展型として開発された旋回気流乾燥装置を用いたABS樹脂処理用乾燥機について一部を紹介します。
旋回型気流乾燥装置は、運転制御が熱風温度のみとなり比較的容易に運転管理が可能であり、短時間で運転状態を安定させることが可能となります。
方向性のある多孔板を熱風の吹き出し部分に応用して取り付けることにより別途回転体を用いること無く湿粉原料を原料供給部近くで分散、その後乾燥塔々内を旋回する状態で処理物が移動していくため気流乾燥機のように乾燥管の取り回しを特別考慮する必要がありません。
乾燥塔内には熱交換体のような遮蔽物もないため短時間で機内処理物を全量排出させることができ、品種切り替えが多い場合には有効と考えられます。
さらに滞留時間を必要とする減率乾燥域の乾燥については、乾燥塔途中の一部の塔径を拡大し(オプション)、処理物を滞留させることで滞留時間を伸ばせるよう対応しています。
先に述べましたが最近納入した旋回気流乾燥装置は乾燥を2段階の工程に分け、1段(前段)乾燥(φ1400)では主に恒率乾燥域、2段(後段)乾燥(φ1000)は減率乾燥域とした構成としています。
粉塵爆発性のABS樹脂を処理するため乾燥塔にはエクスプロージョンパネルが取り付けられていて、乾燥塔が円筒状であることから乾燥塔自体の設計圧力を比較的高く設定でき、エクスプロージョンパネルの面積を小さくすることが可能となります。
実装置の現在の傾向として、品種切り替えのために洗浄を行うことは必要不可欠となっており、本装置も機内洗浄を行うため洗浄ノズルを取り付けてあります。熱交換体内装流動層乾燥機のように機内には装填物がなにもなく円筒状の空洞になっており、かつ乾燥処理後は機内処理品が全量排出されることから、短時間で容易に洗浄することが可能となります。
今までの主流機種である流動層乾燥機以外にも、この旋回気流乾燥でも十分実装置対応が可能となっています。